犬と眠った。

 

1人で寝なよとかごに入れたけど、「この自分が1人にされるはずがない!」とウワ…ウグゥー…と悔しそうに鳴いたのでしかたなく。

 

もう寝る気まんまんで脱力している犬をだっこして布団に運ぶとき、私はひっそり幸福だった。

 

私を信じて、私にすべてをゆだねている、小さい生き物。

 

フレンチブルドッグはどこもかしこもぷりぷりとやわらかくて、だっこするとあまりのむちむち加減にうっとりしてしまうな。

 

布団に犬を押し込み、自分も横になってベッド代として肉球の匂いをかがせてもらう。日向の穀物のにおい。

 

口元のたふたふをそっとなでて、布団からちょっと窓の外を見てから目を閉じた。